
UTMとプロキシサーバーの違いを解説!どっちを使うべき?

- UTMとプロキシサーバーの違いって?
- UTMとプロキシサーバーどっちを導入したらいい?
- セキュリティ対策を万全にしたい
UTMとプロキシサーバーが一緒だと勘違いしているかもしれません。
本記事では、UTMとプロキシサーバーの違いと、どっちを選ぶといいかについて解説します。
記事を読むことで、データ漏洩を防ぎ、クライアントからの信頼を失わずに済みます。
UTMとプロキシサーバーの違いを簡単にいうと、全体的に守るか、特定の状況下のみ守るかの違いといえます。
よりくわしい内容は本記事を参考にしてください。
そもそもプロキシサーバーとは

プロキシサーバーとは、ユーザーとWEBサーバーの間に設置され、通信を中継する仕組みのことです。
ユーザーがアクセスしたいサイトに直接つながるのではなく、プロキシを経由してWEBサーバーに接続します。
アクセスしたWEBサイトのコンテンツを一時保存することで、通信速度の改善を測ることができます。
また、アクセス制限やログ管理にも活用でき、セキュリティや業務効率の面でも役立ちます。
UTMとプロキシサーバーの違い

UTM(統合脅威管理)は、ファイアウォール・アンチスパム・WEBフィルタリングなど複数のセキュリティ機能をまとめたもの。
UTMひとつあれば、さまざまな脅威から守ることができます。
プロキシサーバーはWEBサーバーとの通信を安全するという特定の目的に使うもの。
UTMが「幅広い脅威から守る」のに対し、プロキシサーバーはWEBサーバーとの通信を安全にして「特定の脅威から守る」という違いがあります。
UTMとプロキシサーバーどっちを使うといい?

では、UTMとプロキシサーバーどっちを使うといいのか解説します。
個人事業主や小規模事業者はUTMがおすすめ
セキュリティ対策にくわしい人がいない、個人事業主や小規模事業者にはUTMがおすすめ。
ファイアウォールやアンチウイルス、不正侵入検知など複数の機能を一台でまとめて管理できるため、専門知識がなくても安全なネットワーク環境を整えやすいから。
また、管理の手間やコストをおさえられるので、本来の業務に集中できます。
「セキュリティ対策何したらいいかわからない」人におすすめ。
以下の記事でおすすめのUTM「サイバーポリス Pico-UTM 100 S」をレビューしているので、参考にしてみてください。

WEB関連の仕事ならプロキシサーバーを重視
WEBサイト運営など、WEBサーバーとの通信を頻繁に行う仕事では、プロキシサーバーがおすすめです。
アクセス制限やキャッシュ機能により、作業効率を上げながら安全にWEBサイトを閲覧できます。
仕事に関係ないサイトへのアクセスを防止したり、WEBサイトの表示速度を上げたりできます。
WEBサーバーへ頻繁にアクセスするなら、プロキシサーバーを検討しましょう。
併用もできるが注意点あり
UTMとプロキシサーバーを併用する方法もありますが、注意点があります。
ネットワーク構成が複雑になりやすく、誤った設定をすると通信速度が遅くなるリスクがあるから。
また、両方のログを管理する手間も増えるため、運用体制を考えた上で設計することが重要です。
小規模環境ではUTMを基本に、必要に応じてプロキシを追加するのが現実的です。
UTMのみを使うメリット

もしUTMのみを使う場合のメリットを紹介します。
セキュリティの管理が楽になる
UTMを使えば、セキュリティを管理するのが楽になります。
ファイアウォールやウイルス対策、不正侵入検知などの更新やメンテナンスをまとめて行えるから。
「どのソフトを更新していないか分からない」といった管理の手間やミスが減り、専門知識がない人でもセキュリティ対策できます。
セキュリティの管理が楽になれば、日常業務に集中できますよ。
コスト削減できる
UTMを導入すると、複数のセキュリティ製品を個別に買う必要がなくなるため、トータルコストを大幅に削減できます。
ファイアウォールやアンチウイルス、侵入検知システムなどを別々に揃えると、導入コストが高くなってしまいます。
予算が限られる個人事業主や小規模事業者にとって、個別にセキュリティ対策する余裕はありませんよね。
UTMならさまざまなセキュリティ機能がそろっているので、コスト削減に寄与します。
簡単に導入できる
既存のネットワークにUTMを設置するだけで簡単に導入できます。
大規模な工事や初期設定が必要ないので、業務に支障をきたしません。
オフィス内にあるノートパソコン、プリンター、スマホなど個別に設定する必要もありません。
個人事業主や小規模事業者など、セキュリティにくわしい人がいない会社でも安心です。
内部からの脅威への対策もできる
UTMは外部からの攻撃だけでなく、内部からの脅威にも対応できます。
不正アクセスや機密情報の漏洩が発生した場合に、UTMが通信を制御することで被害を最小限に抑えられます。
内部のノートパソコンにマルウェアが感染してしまっても、外部への流出を防ぎます。
UTMのみを使うデメリット

続いてUTMのみを使うデメリットを紹介します。
通信速度が落ちるリスクあり
すべての通信をUTM一台で処理するため、接続台数が増えると通信速度が低下することがあります。
UTMのスペックをしっかり検討しないと、レスポンスが遅くなり業務効率に影響するかもしれません。
機器の接続台数とUTMのスペックのバランスを考えて導入しましょう。
カスタマイズ性がない
さまざまなセキュリティ対策を一台で済む便利さはありますが、カスタマイズ性はありません。
特定の機能のみを変更したいという要望に応えるのは難しいです。
UTMによってはオプションを用意していることも。
前もってどんな機能があるかを確認しておきましょう。
故障するとすべてのセキュリティ機能が停止する
もし機器が故障するとファイアウォールやウイルス対策、侵入検知などすべての機能も停止してしまいます。
ネットワーク全体が無防備になり、外部からの攻撃や内部の脅威に対して脆弱な状態に。
故障したときのリカバリーを用意しないといけません。
プロキシサーバーのみを使うメリット

次はプロキシサーバーのみを使うメリットを紹介します。
通信速度を改善できる
キャッシュ機能があるので、通信速度を改善することができます。
キャッシュ機能とは、一度アクセスしたWEBサイトの情報を保存しておくこと。
再アクセスするときに、保存しておいたデータを使うので、ページの表示速度が改善されます。
頻繁に同じWEBサイトにアクセスする場合に、とても重宝します。
アクセス制御できる
特定のWEBサイトやサービスへのアクセスを制限できます。
たとえば、業務時間中のSNSや動画サイトの利用を制限したり、不適切なサイトへの接続をブロックできます。
業務に関係ない不適切なサイトへのアクセスを制限すれば、マルウェアへの感染リスクを減らすことができます。
匿名性を確保できる
外部のWEBサイトから位置情報や端末情報を知られることがないので、オンライン上での匿名性を確保できます。
そもそもプロキシサーバーを使わなくとも、個人情報を知られることはありませんが。
IPアドレスの追跡によって攻撃されることがあります。
念には念をという意味でも匿名性を確保しておくことも大切なセキュリティ対策です。
プロキシサーバーのみを使うデメリット

プロキシサーバーのみを使う場合のデメリットを解説します。
通信速度が低下するリスクがある
キャッシュ機能によってデータが保存されていない場合は、通信速度が遅くなることも。
プロキシサーバーを介しているので、直接WEBサーバーに接続するよりは遅くなります。
アクセス履歴を盗聴されるリスクがある
外部からの攻撃者にアクセス履歴を見られてしまうリスクも。
プロキシサーバー自体がハッキングされてしまうのが原因。
さらに盗聴されたデータを悪用されてしまうと、IDやパスワードの漏洩や大量の迷惑メールを送信されるなどの被害も。
信用の失墜につながるので厳重に注意しましょう。
まとめ
本記事では、UTMとプロキシサーバーの違いについて解説しました。
UTMは多くのセキュリティ対策を備え、さまざまな脅威から守ってくれます。
対して、プロキシサーバーはWEBサーバーとの通信を安全にする、特定の用途に使うものです。
それぞれの違いを知った上で、ご自身の目的に合わせて選びましょう。
本記事が参考になれば幸いです。